DMP導入方法を紹介します

概要

Piano DMP (Data Management Platform) は非常に高度なユーザーエンゲージメントと収益を運用していくためのユーザの行動データを集合化、セグメント化しデジタルビジネスを容易に行なっていくためのツールです。Piano DMPを使用すると、1st、2nd、3rd パーティデータを組み合わせて分析することができ、ここのユーザプロファイルとオーディエンスセグメントを開発し、サイトやマルチチャネルのマーケティング計画全体でデータを活用できます。サイトのユーザデータフローを正しく把握し、データをキャプチャし、分析して理解するための鍵となるツールです。 

このセクションは Piano DMPのユーザインタフェースや一般的な使用例を紹介し、Piano DMPツールの背後にあるロジックの詳細やアクションからデータを取得して実行するための実践方法もご紹介します。

Piano DMP の特徴は何ですか?

読者が広告のメッセージに興味を持っていない場合、広告は迷惑なだけです。DMPを使用すると、広告は読者をターゲット化して、個別化されたサイト体験を提供できます。これは広告が読者にとって迷惑ではなく、有益なものになる機会を増やすことになります。広告主により良いCTRと広告収益、より高いコンバージョンレートをもたらします。Piano DMPは広告商品に付加価値のある提案、セグメントターゲットやその他サービスによるパッケージの取引などのオプションを可能にします。独創的な発想を持つ広告スペース提供者にとって、一度適切なセグメントが実装できれば、収益化の可能性は無限です。

リアルタイム、詳細レベル、柔軟性

Piano DMPはリアルタイムツールです。DMPはユーザをセグメントに接続するとすぐに、ユーザは関連するあるいは有料会員に登録に結びつきそうなコンテンツや広告をターゲットできるようになります。リアルタイムはユーザプロファイルが最初のクリックから始まり、そこから成長していくことを意味します。ユーザの興味関心はサイト訪問者を有料会員や消費者に変えるためにすぐ使用することができます。

プラットフォームはどんな端末でサイトへのアクセスに使用するかに関係なく、システム内に全てのユーザの固有のプロファイルを保持します。Cxense DMPは全てのデータとそこでのアクションを収集するために必要な1つのプラットフォームを提供します。リアルタイムであることによって、ユーザ訪問にすぐにアクションすることが可能です。セットアップすれば、これが自動的に行われ、ユーザがサイトにやってきた際にユーザプロファイルを作成します。

Piano DMPはデータを収集し、意味ある洞察とセグメントを生み出すためを分析します。各個人の興味関心やコンテキストをソシオグラフィック(所得や資産、学歴、社会階層など社会統計上の分類特性)のデータと組み合わせることができます。Piano DMPは単にデータをトラッキングするところから、全ての端末にまたがって1つに統合されたユーザプロファイルや貴社の全てのデータを生かすオフラインのPOSやCRMデータまで1箇所で全てを活用することができます。メールログインやSNSのプロファイルなど簡単なIDを実装することによって、デバイスによってユーザを追跡するようにサイトに設定することができます。自動的にユーザプロファイルが接続され、ユーザとの会話は端末をまたいでも継続できます。また、リアルタイムでこれらを行います。

ほとんどのデータソース(全てのウェブサイト上のイベント、CRMデータ、CMSデータ、有料会員データなど)は Insightエンジンで取り込みます。関連性のあるユーザデータを全て、1つのユーザプロファイルに集約して保持することによって、セグメントに単にユーザを詰め込むのではなく、データからアクションされる可能性が大幅に増加します。

 

自分のセグメントは好きなように、必要な場所で

パブリッシャーだけでなく他の企業にとっても、広告は収入として非常に重要であり、DMPはサイトまたは管理している複数のサイトに渡って、広告の配信を最適化するためにあります。DMPご利用中の何社かのお客様は簡易に定義したユーザセグメントを作成し、広告主にパッケージとして提供することを選択しています。あるいは広告主のニーズに応える高度に定義された広告主を対象とした、アドホックなセグメントを作成することもできます。

Piano DMP はユーザデータをターゲットとするオーディエンスセグメントに変換し、サイトの所有者がそのセグメントを定義できるようにします(ブール演算子を用いて、セグメント条件をつなぎ合わせて、必要なセグメントを正確に定義するだけです)。これにより、デフォルトのセグメントにユーザを押し込む必要はなく、柔軟にセグメントを提供することができます。オーディエンス拡張(lookalike modelling) は既存ユーザと似た行動をする新しい顧客を特定することによって、オーディエンスを拡大するのに役立ちます。

より多くのユーザを有料会員にするというゴールを持ったサイト、またはあるコンテンツを特定のオーディエンスに自動的に表示したいサイトでは Piano DMPが役立ちます。読者を有料会員に変えていくには有料会員になりそうなユーザを特定し、多くの読者が有料会員に変わったと証明されるコンテンツを提供します。音楽ニュースを音楽好きにターゲットしてサイト全体のロイヤリティを高めることで、サイトのセクションを拡大していきます。そのユーザに最も関連性の高いコンテンツを見せ、全ての端末のユーザとの会話を継続し、データからすぐにアクションを取り、収益の可能性を広げます。Piano DMPでのデータセグメントを Piano Content のコンテンツレコメンドや Cxense Search の検索最適化に使用することができます。データはアドサーバー、SSP、DFP、メールマーケティングツールなどサードパーティベンダーに送信することもできます。

データ自体は貴社の組織内に留まります。複数サイトのネットワークを運営したり、データの使用に関して他のパートナーと協力しようとする場合には販売パートナーまたは広告パートナーとデータを統合しますが、これは全て貴社のネットワーク内に限ります。

Piano DMP のデータフロー

DMPによって実行される内容は以下の3つのフェーズに分けられます。

1. データの収集と編成

Piano Insight エンジンはリアルタイムのデータソースを作成するために、飛び交うデータを収集し編成しています。任意のデータソースや端末から追跡可能なイベント全てです。データはサイトから、CRMから、他の1stまたは3rdパーティから利用できます。Piano DMP はウェブサイトのユーザ各人のユーザプロファイルを作成し、アクションに関連性の高いデータを作ります。

デフォルトでは Piano DMPはウェブページから収集したデータを使用します(ページに実装されたCxenseスクリプトによってもたらされます。詳しくは Piano Insight セットアップ: 初回導入作業 をご覧ください)。内部または 3rdパーティツールでサイトから収集した 1st/3rd パーティデータを追加することによって、データソースを拡張できます。詳細は1st/3rdパーティデータのアップロードチュートリアル をご確認ください。

2. セグメンテーション

Piano Insight に収集/アップロードされたデータはオーディエンスセグメントの作成、ユーザ行動の分析、オーディエンスに関するレポートの作成に使用できます。セグメントの管理のセクションではオーディエンスセグメントを構築し、Piano DMP レポーティングツール だけでなく、Piano Insight のツールやワークスペースでも便利なデータとして分析できます。

幅広い条件に基づくユーザグループを選択することができます。訪問したサイト、年齢、興味関心、有料会員ステータス、実行したアクションなどでユーザを並べ替えます。こうしたセグメントはパッケージとして利用ができます。特定の広告見込み客用にセグメントを作成し、サイトの新しいセクションを紹介したり、有料会員のコンバージョン数を増やしたり、といったことが挙げられます。

3. マネタイズ

セグメントを使用可能なアセットに調整します。例えばゴルフ好きをDMPで特定された人にゴルフの広告を販売します。

Piano DMP で作成したセグメントはお使いのアドサーバーにエクスポートすることもできます。このガイドの データソースと統合 の部分ではデータプラットフォームやアドサーバーにエクスポートするセグメントに関するトピックをご案内しています。 

Piano DMP の操作方法

Piano DMPの操作は UI または API を介して行います。

Piano DMPのユーザインターフェース概要は以下の通りです。UIの特定の部分はこのガイドの別のセクションで説明します。

Piano DMP API メソッドは Cxense API 全体の機能の一部であり、データを管理するために DMP UI と一緒に使用できます。

ユーザインターフェース概要

Piano DMPのユーザインターフェースはDMP機能の様々な部分をカバーする5つのメニューがあります。
UIで解決可能なユースケースとしては論理的に3つのセクション(セグメント管理/レポート/データ連携)にグループ分けできます。

UIには Piano Insight にあるものと同じように動作する サイトグループ フィルタ も含みます。
オーディエンス または イベントフィルタ、期間 フィルタも提供されています。

セグメント管理

セグメント管理機能はDMPのセグメントタブでカバーされています。このタブからセグメントを作成/更新したり、オーディエンス拡張セグメントを作成したり、
セグメントにアノテーション(検索しやすくするための注釈、フラグ)を追加することができます。

セグメントタブの機能はこのガイドの セグメントの管理 で説明しています。

レポート

Piano Insight に加えて、Piano DMP はそのセグメントに関連するデータに固有のツールを提供します。そのタブは以下の通りです。

上のタブ各々はこのガイドの  Piano DMP レポーティングツール セクションで詳細が説明されています。

Piano DMP の画面には ワークスペース タブへのリンクもあり、Piano Insight で作成されたカスタムワークスペースにもアクセスできます。
ワークスペース機能に関するドキュメントは Piano Insight UI: カスタムワークスペース で確認できます。

データ連携

データ連携機能は データソースと統合 で説明しています。
外部ツールにデータをエクスポートする画面上の箇所は 他サービスとの接続 タブで、その内容は DMP UI: 他サービスとの接続 タブ で説明しています。

ファネル開発

ファネル機能は Piano DMP のもう一つの機能です。ファネルは一般的にいくつかのステップを含むワークフローを通じて、ユーザを追跡するのに使われます。例えば、有料会員になる、「デジタル商品」を購入する、ショッピングカートに商品を追加した後に購入を完了する等です。

ファネルの開発とレポーティング機能はこのガイドの ファネルの開発とレポーティング でカバーされています。